腸内細菌が「大人の脳」を育てる? ― プロバイオティクスによる成体神経新生促進と代謝物の役割
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腸内細菌が「大人の脳」を育てる? ― プロバイオティクスによる成体神経新生促進と代謝物の役割
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2025/05/15 (木)14:00 - 15:00
表示タイムゾーン: JST (UTC+09:00)

概要・詳細

※セミナー当日までにお申込みいただくと、同内容の「見逃し配信」を期間限定でご視聴いただくことができます。 国立研究開発法人産業技術総合研究所 モレキュラーバイオシステム研究部門 バイオシステム応用研究グループ 上級主任研究員 波平 昌一 先生の講演をお送りします。 腸内細菌が「大人の脳」を育てる? ― プロバイオティクスによる成体神経新生促進と代謝物の役割 = 要 旨 = 哺乳類の脳内の海馬領域で起こる「成体神経新生」は、記憶や学習のみならず、ストレス応答や情動の調節にも関与することが知られています。その異常は、アルツハイマー病や統合失調症といった精神疾患にも関連すると考えられています。 最近我々は、プロバイオティクスである乳酸菌(Enterococcus faecium T-110),酪酸菌(Clostridium butyricum TO-A),および,糖化菌(Bacillus subtilis TO-A)の3種類(以下ProB3とする)の投与が、海馬における成体神経新生に与える影響について明らかにしました。無菌マウスにProB3を定着させたところ、神経幹細胞の増殖促進や、新たに生まれた神経細胞の成熟が改善されることが確認されました。 さらに、血中代謝物のメタボローム解析により、ProB3がテアニンや3-ヒドロキシ酪酸、アンセリンといった代謝物を増加させることを発見しました。これらの代謝物は、ヒト由来神経幹細胞においても増殖・分化・成熟を促進する作用を持つことが明らかとなりました。 本セミナーでは、腸内細菌による脳機能への影響メカニズムの一端として、ProB3による神経新生促進効果と、それを媒介する代謝物の役割について紹介します。