近年、地球温暖化や気候変動の影響により、集中豪雨や洪水、豪雪といった自然災害が頻発しており、その被害規模は令和3年度が３６００億円であったのに対し令和５年度には６８００億円になるなど急速に拡大しています。また、南海トラフ地震をはじめとした大規模地震のリスクを常に抱えており、国内各地で甚大な被害が予測されています。さらに、土砂災害のように豪雨や地震のいずれによっても引き起こされる二次的な災害リスクも高く、複合的な備えが求められています。 こうした多様な災害に対して、宇宙から地球を見守る「衛星」の力が、いま注目を集めています。これまでの災害対応では、発災後に専門家の判断を経て観測や状況把握を行うのが一般的でした。しかし今後は、さまざまなデータを平時からモニタリングし、状況に応じて自動的に衛星観測を行う仕組みが求められています。たとえば気象災害においては、発生が予測された段階から、衛星が自動的にリスクの高い地域を観測し、迅速な被害把握や救助活動につなげることが期待されています。一方で、地震のように予測が難しい災害については、発災と同時に自動かつ即時に観測が行われる体制が必要です。さらに近年では、生成AIなどの先端技術を活用し、観測・解析の効率化や高度化を図る取組も進められており、衛星による災害対応は今後ますます重要性を増す分野といえます。 本イベントでは、こうした最新の防災の取組について、豪雨災害を例に、気象データと衛星データ、さらに生成AIなどの先端技術を組み合わせた具体的な取組や最新動向を、講演やパネルディスカッションを通じてわかりやすくお届けします。今回ご紹介する考え方やアプローチは、地震など他の自然災害にも幅広く応用可能であり、防災・気象・データ活用・先端技術に関心のある方はもちろん、社会課題の解決や未来の防災の姿に興味をお持ちの皆さまのご参加を心よりお待ちしています。 ※会場参加者の皆様にはアーカイブ配信をご案内しますので、アーカイブのお申込は不要です。